土や石や岩、水の流れや溜り、草や花や樹木、さらには、そこに生息する虫や動物までを対象とするランドスケープデザインは、その地域の気候や環境や歴史に、素直に呼応したものであることが大切です。そのためには、小手先のデザインではなく、自然の仕組みがもつ本質に迫ったランドスケープの骨格を、いかに生み出せるかが大変重要です。敷地や周辺の、地歴や地形を丹念に読み解いてゆくことや、元々そこに在った自然植生や生物の生息域に敬意を払うことが、その基本的作法となるでしょう。こうして生み出された「魅力ある骨格」を持ったランドスケープは、長い将来にわたって、利用する人々に愛され続けると信じています。