昨日まで長かった鉛筆がいつの間にか短くなっている。そんなことがよくあります。それは、プランをエスキースしているときや、断面スケッチを描いているとき、あるいはディテールを検討しているときなどに起きます。ランドスケープの設計は、与条件や歴史、環境などを整理し、空間をイメージすることから始まりますが、イメージには往々にしてスケールがありません。経験を頼りに、適切な寸法を探りながらイメージしていた空間を組み立てる過程で、トレーシングペーパーの上には幾重もの線が描かれています。その中から、これだと思う一本の線を発見し、図面としてまとめていく。そうこうしているうちに鉛筆はすっかり短くなってしまいます。